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終活をどのくらい身近にとらえられるか?が一番の問題!
(本文と写真は関係ありません)
当社の仕事をお手伝いしてくださっている男性のお母さまが、「終末医療専門病院」に普通病院から転院されました。それは何を意味しているのか?感のいい方はお気づきかと思います。すでに手の施しようがなく、痛みや苦痛をできるだけ軽減しながら、そのときをは待っている状態になったのです。
その男性は私に「もしもの時はお願いします。」と頭を下げました。私はなんと返答すべきか考えましたが、葬儀を生業にしている身から、その場しのぎの励ましの言葉が空々しく響くのがいやで
「もちろんですよ。できる限りのことを、心を込めてしますからね。ご心配なく。」と答えました。
男性は小さく頷いて「よろしくお願いします。」と言いました。私の心にその言葉がずしりと重く響きました。
その男性は、夜中の搬送なども手伝ってくれるのですが、先日、その男性のお母さまが入院している病院へ、夜中の「お迎え」がありました。私は、病院が病院だけに、その男性が嫌な気持ちになるのではないおかと思い、恐る恐るその病院への「お迎え」であることを伝え、手伝いたくなければ無理しなくて良いと告げましたが、彼は快く引き受けてくれました。ありがたいです。
そのお仕事を無事に終え、私の母とその話をしました。ちなみに男性のお母さまは私の母より年下です。
「こないだの夜中のお迎えの時、やっぱり他人は他人で明日は我が身って感じには思わないみたいなんだよね。なんだか
周りが思うほど本人たちは、自分のこととして考えられんのやね。余命1か月って宣告されても心のどこかで、まさか自分たちが・・・みたいに思ってるんやね。」と、私がその時いだいた感想を母に告げました。
私が母にそのことを話したのは、もし母が同じ状況になった時に、「終末医療の病院に転院することを了承するか?」「延命治療をするしないになった時に、どうしたいと思っているのか?」「万が一の時には、親戚以外に知らせたい人がいないか?」などを話すいい機会だと思ったからです。
終活セミナーを担当させていただいたり、エンディングノートを書きましょうとかいう話をしていますが、自分は?自分の周りは?というとちょっと自信がないのです。
終活終活と騒いだり、準備をする人も増えていますが、果たして万全なのでしょうか?遺言を残す方の場合、たぶん家族はそれがあることを認識していると思います。遺言を残すにしても、自身で有効な遺言を作成するのはなかなか困難で、弁護士さんなりにお願いしたり公正証書にしたり、それなりに費用がかかります。
だからといって「エンデイングノート」では、正直有効性に問題があります。
民法が改正され、随分利便性も高まりますが、実際なんとなく庶民生活からかけ離れた感は否めません。
「死」より前に問題になる、誰が介護するのか?誰がどこで看取るのか?そんなことは本当に認知状態や、病気になってみないと、状況が変わる可能性が大いにあると思うのです。
しかし、これだけは絶対決めておく、家族に伝えておくべきことはいくつかあると思います。
1.尊厳死、延命治療を望むか望まないないか?
2.誰に知らせてほしいか?
3.どこで死にたいか?(選べない場合もあるけれど希望として)
4.遺影写真はどれがいいか?
5.お墓はどうしたいか?
財産のことは、多額だろうが少額だろうが、あの世には持っていけないので揉めてほしくないのはわかりますが、致し方ないかと思ったりするのです。もめたくない家族は、あってもなくても「放棄」これが一番けんかにならないように思います。
まわりに自分の「死」を託せない「おひとりさま」もたくさんいるし
終活に答えはないなあ
そう、感じたのでした。
最近では、ネット銀行の口座を持っていたり、SNSのアカウントがそのまま放置になっていたり、ちょっと前までは考えられなかったことで、家族が後処理することになったりするんですよね。私もスマホの暗証番号くらいは、メモして「ここにいれとくよ。」って息子に伝えておかないといけないなあって思ってます。完璧に終活されていたといわる「樹木希林」さんも、もしかしたら、スマホの暗証番号までは考えついていなかったかもしれませんよ。自分では完璧だと思っていても状況は変わるものだし、どんな状態で「死」を迎えるかなんて予想できないから、神秘なのですから。
母に「終末医療の病院」の話やらをしたら、どんな反応だったと思いますか?
「・・・・・・・・。」無言
でした。
自分のこととしては、考えられないのです。
終活が叫ばれるようになってから数年になりますが、もしかしたら、そんなことはあまり重要なことではなく
「今を普通に生きる」ことが一番なのかもしれませんね。
私の独り言
「迷惑かけてもいいよ。」
大きな声で言えないんだけどね。
すべての人が安心して「死」を迎えられる世の中になりますように。
合掌