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今どきの「お通夜の過ごし方」
先日長崎県の雲仙市にて「仮通夜で宿泊していたご家族が火災にて死亡する」という事件がありました。
まだ、何が原因だったのかわかっていないのか?報道されないのでなんとも火元はなんとも想像でしかありませんが、仮通夜できっと「お線香、ロウソクを絶やさないように。」と思っていたけれども、つい うとうと寝てしまい「ロウソクが倒れた」とかそんなことではないかと思いました。
せっかく、故人を思い「お線香、ロウソクを絶やさないように」したのに、その家族が不幸にも亡くなられてしまったら、本当に残念なことです。心からお悔やみ申し上げます。
世の中便利になりまして、今では夜通し起きて「お線香、ロウソク」の番をしなくても24時間以上付いている「巻き線香」「24時間ロウソク」があるので、火を絶やすことなくお休みいただくことができます。
それ、使っていなかったのかなあ?あったのに気づかなかったのかなあ?
弊社の葬儀では、つのる話や故人の思い出話に花が咲くときはいざ知らず、「無理や義務的に夜通し起きていなくてもよいですよ。」とアドバイスしています。
さらには、仮通夜まで含めると正味3日も葬儀に時間を費やすため、家族は非常に疲れます。
「ご自宅にお帰りになりゆっくりご自宅の布団でお休みいただいてもかまいませんよ。」とも提案しております。
仏教的には、お釈迦様が亡くなったときのお話うんぬんかんぬんがあり、それが「お通夜」となったということですが、そもそも「お線香を絶やさない」「ロウソクを絶やさない」には、昔の事情があったようです。
まず「お線香」につてですが、ご遺体が傷んでいくと独特な臭いを放ちます。
それを消臭、ごまかすために「お線香」を絶やさないようにしていた。という説があり、私はかなり信ぴょう性が高いと思っています。
「ロウソク」につてです。
昔はご遺体を安置する「小屋」のようなものがあったようです。
そこに野犬や鳥獣がやってくるわけです。それを追い払うために「松明(たいまつ)」を絶やさないようにしていた。という説があり、これもなるほどと、私は納得しました。
私は、宗教学者ではないので聞きかじった知識しかありませんが、そこに宗教的意味が加わり今に至っていると思われます。
消臭的効果や、ご遺体の保管状況の進歩。「夜中に猛獣がご遺体を襲いに来る心配」のなくなった今では、本当に死ぬような危険をおかしてまで、「火の番」をしなくてもいいのです。
心情的には「お通夜ぐらいそばにいてあげたい」
わかります。
なので、ご自分たちの健康や精神状態を保ちながら、あまり無理しないで「お通夜」を過ごしていただきたいです。
葬儀の後、体調が悪くなった話は、よく耳にしますから。
葬儀は、亡くなった方のためでもありますが「生きている残された方々」のための儀式だと私は考えています。