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今でも後悔している「亡父にしてあげなかった、たった一つのこと」
これは、私の亡父の遺影写真です。とても気に入っています。
父の晴れ舞台の日の写真だったのです。
そのことは、今日のブログとは関係ないのですが、こうやって遺族はずっとその遺影写真を見て故人を偲ぶのです。
簡単に考えないで素敵な写真を「残す」なり「選ぶ」なりしてほしいな~と思うのでした。
30年前の娘の結婚式の時に撮った写真でもいいけど、あまりに現在と違いすぎるし・・・それでも本人がどうしてもその写真で作ってほしいならいいですけど。
私は、FACEBOOKというSNSを利用していますが、その中の機能に「過去の思いで」みたいなのがあって、何年か前のその日にアップした自分の記事を見ることができます。
4年前の今日の出来事が上がってきて、それを見て、このエピソードを皆さんにお伝えしたいと思いました。
そのころ、私は福岡県近郊の春日市のとある葬儀社で働いていました。
まだまだ見習い状態で、先輩と一緒にご遺体が安置されているご自宅へ「後飾り祭壇」という、49日までお祀りする祭壇を作りに伺いました。
亡くなったお父様のそばに、60代の姉妹とお姉さまの旦那様がおられました。ご遺体の頭や顔をずっとながめ、ほほをなでたり、髪をなでたりしておられました。(*注意 お気持ちはわかるのですが、必ず手をしっかり洗ってください。亡くなると直ぐに雑菌が繁殖し感染症の原因になります。)
ふと、顔を覗き込んだお姉さまの旦那様、(この旦那様にしてみれば義父にあたるわけですが)
「お・・鼻毛が伸びているな~。ハサミとってきて。」といって渡された小さなハサミで、鼻毛を切り始めました。
自分の家族でも私だったら、ごめんなさい「鼻毛」切るのはちょっと抵抗あります。
その旦那様は優しく鼻毛を切り、きれいにしておられました。
そのご家族の姿が、見習いの私の脳裏に焼き付きました。
実は、私の父はその2年前に亡くなり、私の葬儀業の道にはいるきっかけでもあります。
まだ、父の体調もそんなに悪くなかった頃ですが、たまたま帰省していた私に
「足の爪をきってくれんかな?」とたのみました。
「え?なんで?自分でできるやろ?」とこともなげに、つっぱねました。
介護状態でもない父が甘えている!!と・・・
今の私ならわかります。老眼や腰が曲がりにくいいろんな理由で、足の爪は切りにくいのです。いまならわかる・・・・。
でも、もう遅い。
切ってあげたい父の足の爪はもうない。
たったこれだけ、「足の爪を切ってあげなかった。」
そのことがいまだに私の後悔、心残り・・・・。
きっと父はそんな私をもうゆるしてくれているとは思います。
でも・・・・・
みなさんには、そんな後悔をしてほしくない。
大切な家族、大事な家族。
どうぞ、一緒にすごせる限られた時間を十分味わってくださいね。
私の「してあげなかった一つのこと」です。