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「かくれキリシタン」のお葬儀
なかなか、映画を観る時間がとれないので滅多に映画館には行かないのですが、これは観なきゃ!と思い「沈黙」は2月に観に行きました。
原作本は、実は小学生のころ読んだのですが、内容をすっかり思い出せず、映画を観る前に読んでおかねばと思い数回読んでから出かけました。
なんとも重い内容ですが、本当にこんなことが行われていたのかと思うと言葉では現わせないものがあります。
しかし、こんな弾圧に耐えて信仰を守った人々、命をも捧げた人々、どちらも本当にすごいと思います。
そして、その子孫が今なお現存していることが更にすごいですし、「すごい」という言葉で片づけるには重すぎます。
どんな言葉にしたらいいのか?思いつきません。
先日、長崎の外海地区出身の方のご葬儀をお世話させていただきました際、ご主人は仏教徒でいらっしゃいましたが、亡くなった奥様は「かくれキリシタン」であった、とおっしゃって「かくれキリシタン」のやりかたで葬儀をなさりたいということでしたが、「覗かないでください。」と、ご主人がなにか儀式のようなことをされました。
どんなことをされたのだろうか?と思いましたが、お尋ねすることもはばかられ、解らずじまいでした。
きのう、また「かくれキリシタン」の方のご葬儀のお世話をさせていただく機会がありました。
今回は長崎県五島市出身の方でした。
また、同じようにご自身で儀式をなさるのかな?と思ったのですが、「神式でお願いします。」とのことで
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「神道ですか?」「はいそうです。お寺に属さないので神道なんです。」ということでした。
福岡の葬儀社で修行していたころ、何度か「神道式」のご葬儀は経験していましたが、長崎では初めてでしたし、私の住む近辺には「神道」の方は少数で、滅多に「神道式葬儀」をお世話することはありません。
なので、私が借りている葬儀テナントには、神道式のお道具が一つもないのでした。(これは、葬儀社としてはいけませんね。反省です。)
ただ、「かくれキリシタン」だというだけで、お葬儀は「神道」なんです。儀式としてはなんら変わりはありません。
「かくれキリシタン」の方のお世話ができるのは、この地「長崎」に住むことになったからで、他の地では、なかなか経験することはないでしょう。ありがたいことです。
神式のお道具やお供え玉串など、短時間でしかもひとりでやっているので大変でしたが、なんとかやり遂げました。
とても心のこもった、素晴らしいお式でした。
世界では、宗教の違いで戦争になったりしますが、もともとは全ての人間が幸せになるためにあるのですよね。
御霊の安らかならんことを。
合掌