代表ブログ
誰にも知らせないお葬式と孤独死
お久しぶりのブログ更新です。
2018年新年を迎え、さらに皆様の心に寄り添った斎場を目指して活動していきたいと思います。
去年の暮にHPの中に新しいページを追加しておりますので、是非ご覧ください。
弊社は国道から少し離れた、山の上に位置するからか「誰にも知らせないお葬式」「家族だけでの密葬・家族葬」をご希望の方から選ばれることが多くあります。
・親戚にめんどくさい人がいる。
・大げさにしたくない。
・大物過ぎて世間に知れると大変なことになる。
・華やかなお葬式をしないことを人に知られたくない。
・家庭環境が複雑。
・死因に事情あり。(自殺、事件など)
・死体が見るに耐えない状態である。
こんなことが予想されます。
文字にすると味気ないものですね。日々こんな重い事情を抱えたご遺族と対峙していると、いかに字面は簡単に見えるのか・・・と悲しくなります。ひとつひとつ同じ事情はなく、みなさん考えて考えた末にこの方法を選ばれているのです。
昨年おおみそかに弊社へ相談に来られた老夫婦・・・
「無料相談お願いしたいのですが・・・」
私:「どうぞ、おかけください。どのようなご相談ですか?暮も押し迫ってますが、ご危篤でいらっしゃるのですか?ご心配ですね。」
「いやいや、急なことではなくて・・・いくらくらいかかるか知りたくて・・・かあさん話さんね。」
「・・・・・沈黙」
私:「ゆっくりでいいですよ。ご心配な方がおられますか?」
「心配というか・・・どうしていいかわからなくて・・・」
私:「???どうされましたか?多少のことでは驚かないので遠慮なさらずにおっしゃってください。」
「万一の場合、一番安いのはどのくらいかかりますか?」
長年の経験の感とでもいいましょうか?私はすぐに「この方々の心配な方はもう亡くなっていて、どうすればいいのかわからないのでは?」と思ったのでした。
「すぐに警察に届けてください。」
手順どおりに説明しましたが、なんとなく奥歯にはさまったモノの言い方・・・
おおみそかの日に葬儀の相談なんて、切羽詰まった以外に考えられません。
正月開けて3日の日に再度来られました。
「実は・・・・警察から電話があって、どうも死んでいるような・・・わからんとですよ。」
「そんな場合はどうすればいいかと・・・・親戚やなんかに連絡せんとでしょうか?」死を認めたくない。死体を見たわけではないからまだ生きているかもしれない。そんなふうに感じましたが話を聞いた感じからして、死後かなり経過している模様。
私:「無理にご親戚に連絡しなくてもいいと思います。残念ながらお亡くなりの場合、死後何日も経過している可能性が高いですね。ご家族ご親戚もそのかわいそうなお姿をご覧になられたいかわかりません。お決めになるのはご自身ですが、先に焼骨にされて、ご自身の気持ちの整理や、余裕ができてから改めてお弔いされたらどうでしょうか?ご親戚も事情を話せばわかってくださると思います。」
そうこうやりとりして、ほっとされたのか、やっと笑顔で事情をサクサク話されました。
ご遺体の損傷がひどく、DNA鑑定になったその方はその3日後荼毘に臥されました。
棺がやけに軽かったのが私も苦しかったです。
死後7カ月経っていました。
孤独死
それも7カ月もの間、誰にも気付かれずに・・・・・
多死時代に突入し、家族の形も様々で「孤独死」は誰とはいわず近くにあり得ることなのです。
今日はおりしも「阪神淡路大震災」の起こった日。
私はその日、出張業務中で「大分空港」に向かう身支度をしてテレビをつけて知りました。
いつも思うことだけれど「死に順番はない。必ずみなにやってくる、さけては通れない人生の節目」なのです。
人間は一人で産まれ一人で死んでいきます。泣いて生まれるんだから笑ってしんでいこう。といいますが、果たしてそんなに簡単なことなのか?私はまだ死んでないのでわかりません。
死んだあとのことは、本人にもわからないのです。
私が「この棺軽い・・・」と思ったことも・・・・
事情は様々です。肩身の狭い思いなんて考えなくていいと思うんです。
葬儀の形も様々なんです。
最期まで、自分らしくありたい。
ただそれだけ
なんか まとまりのない文章になってしまいました。
こんな辛い葬儀の中ご遺族が
「ありがとうございました。御手洗さんと話してほっとしました。よかった。親戚呼ばなくても葬式はできるとですね。」
と、渡された封筒の中のお札が「しわしわ」だったのが、私の苦しさを倍増させました。
合掌