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ステキな遺影写真を作成したい 一番の理由
身近な方を亡くしてしまって、まだ悲しみが癒えない時間。またその人を思い出して手を合わせ祈る時。みなさんは、どこに向かって祈りますか?語りかけますか?
例えば、仏教徒ならば仏壇の中の「位牌」?お釈迦様やご自分の宗派のご本尊?キリスト教ならば、マリア様?イエス様?またはお墓?
きっと、そのどれでもなくて「遺影写真」を見て語りかける。思い出す。少し時が経つと、「お墓」それに準ずるところになっていくのかなあ?と 思うわけです。だから「遺影写真」はとっても大切に考えていただきたいのです。
私は自分の「終活セミナー」の中で必ず「とびきりのいい顔で、できればおめかしして!」写真を、お誕生日とか、お正月とか日を決めて撮り直してほしいとお話しています。
何度となく登場している、この遺影写真は私の亡父の写真で、亡くなってからもう8年経ちますが毎日手を合わせ語りかけています。
これは、父の晴れ舞台の時に写真館で撮っていただいた記念写真がもとになっています。
大好きな写真なので、葬儀の時に一枚焼き増ししていただき、手元にあります。
悲しいことがあったとき、心配事があるとき、嬉しいことがあったとき、「おとうさん、守ってね。」「おとうさん、行ってきます。」「おとうさん、ありがとう。」私は、ほぼ毎日話しかけています。
2月28日その日は日本中が「嵐」に包まれたような日で、雨風ひどく、大変な一日でした。
嵐の中お仕事の依頼がありました。
ご遺体の状態はあまりよくありませんでした。おみ足が悪かったとのことで両足が壊死しており、体液が漏れないよう吸収シートが巻かれていました。私はできるだけ雨に濡れないように、体が傷つかないようにと思いながら運ばせていただきました。
数え年で99歳の女性でした。大往生の部類に入ると思います。たくさんのお子様、お孫さん、親戚の方々に囲まれて、お人柄が手に取るようにわかるます。ご遺影用のお写真をお預かりしたときにも、そのお写真の笑顔から楽しいご家族のほほえましいエピソードが見て取れるのでした。車いすを使う生活を強いられているおばあちゃんを家族で支える。そんな光景が目に浮かびます。
とても明るい笑顔、心から楽しんでいらっしゃることがわかる笑顔。おばあちゃんのお誕生日のお祝いでしょうか?ご家族の笑顔も特別でした。
お誕生日が8月だったので「背景をひまわりの花にさせていただいてもいいでしょうか?」と
ご家族に相談しました。
私が遺影写真を加工するとき「お誕生日の季節感、または亡くなられた時の季節感」「海山がお好きならばそれを連想させるような色使い」などを心がけています。
「ひまわり」は、ちょっと突飛ではないか?とも考えましたが、その明るい笑顔が、夏の太陽の下で明るく輝く「ひまわり」そのものだったのです。
ご家族は「そうだね~。いいかもね。」と言ってくださったので「あまりに出来が悪ければ作り変えます。」とお約束して作成しました。
着せ替えもしない、普段着のまま、笑顔もいつものまま。「ひまわり」に負けてない!
葬儀が始まり、読経も終わりご導師(お坊さん)様の退堂の時を迎えました。お通夜の席での説法はよくあることなのですが、葬儀の席で説法をなさるご導師様は、あまりおられませんが、是非と、ご導師様が説法を始められました。
「T子さまは、お足が悪いほかはほとんどお変わりなく、いつも明るい元気なおばあちゃんでした。まるでこの遺影写真そのものです。この写真のように花がパッと咲いたような方でした。想像してください。今、T子様はまるで「おやゆび姫」のように花の中にいらっしゃいます。そして、七日七日の法要ごとに少しずつ花開き、四十九日には大輪の花になってご浄土に旅立たれます。この写真そのものです。花に囲まれ安らかにその時をお待ちなのです。」(宗派が特定できないよう少しぼかして書いています)
「いろいろな葬儀に招かれますが、時にお仕着せのように紋付の着物に顔を張り付けたような、いつものご自分ではない写真や、ずいぶん昔の写真で、まるで面影が違っていると残念すぎて私は(ご導師様)自ら加工して、写真を入れ替えてもらったこともあります。このお写真は、いつものご自分そのものの服装で、いつもの笑顔、そして花に囲まれてなんと素晴らしいでしょうか。」
私の写真ではないですが、「ひまわり」を選んだ私が身に余るお褒めをいただいているような、とてもありがたい気持ちになりました。
こんなに「遺影写真」はみなさんが御覧になり、心に残る大切なものなのだと改めて思わずにはおれませんでした。
いろんな方の「遺影写真」を作成しますが、私の一番のお気に入りをご紹介します。
これからは、この「ひまわり」と1.2位を争うものになるかもしれません。
長崎市 F子様 88歳
なんとも言えない笑顔。
そして、ご本人らしい頬杖!
加工するときに、ご家族からは「この手は、失くしたほうがいいんじゃないですか?」との提案もありましたが、
「いえいえ、とてもご本人らしくて素敵じゃないですか!!このままいきましょう。」と。
ちょっと残念なのは、施設入居中の一コマで「パジャマ姿」であることかな?でもそれもまたイイ!
これが出来上がった時に「御手洗さんのアドバイスどおりにしてよかったです。」とご満足いただき嬉しかったです。
私が、ステキな遺影写真を作成したい 一番の理由は、
遺影写真は、そのお姿を心の支えに生きる残された家族への大切なプレゼントなのです。
終活をお考えのみなさま。大切なことはたくさんあります。
遺言、お墓、葬式、断捨離、家族のこと・・・。
その中に「遺影写真用の写真」ぜひ、お考えください。
最後に、この嵐の中残念ながら亡くなられたT子さまの葬儀の日は、温かい日差しに囲まれ晴天であったことを申し添えます。
合掌