代表ブログ
葬儀屋「千世ちゃん奮闘記」
長崎市はご存じのとおり、坂の街。坂の街は更に「急な階段」の街でもあるのです。
駐車場事情も悪く、自宅に車を横付けできるところはありがたいそうです。私の自宅はありがたいことに自宅前に駐車スペースがあります。助かってます。そして、道幅も狭いところが多く、福岡市から越してきた私は長崎市民の運転技術に感心します。
先日、どうしても「自宅葬」をご希望のお客様がおられました。
ご自宅の住所をお聴きしたときに、まだまだ住所をお聴きしただけでどのあたりかピンとこないこともあるので、弊社から遠いし、街中の多分「道狭」多分「階段多」多分「自宅狭」と、自宅葬ではあまり歓迎できない要素が思い浮かびました。
そのご家族は、弊社の前に他の葬儀社さんで「自宅葬は無理」と断られた。とのことでした。お電話で説明するとき「自宅葬は厳しそうなので会館でなさいませんか?」と随分お話しましたが、頑として聞き入れられませんでした。
私は、「やってみるか!うちがお断りしたらお客様お困りになる。」と考え、お引き受けしました。
なんと、着いたところが愕然!
この階段を「ご遺体運びますか???汗」というような階段・・・・。しかも搬送車が停車すると、他の車両が通行できなくなるので、急いですませなければならない。そして・・・・・土砂降りの雨・・・・・そして、鳥居をくぐって玄関へ???
これまでに1度、階段が100段くらいあり「自宅葬」をお断りしたことがありました。その時のことが頭をよぎる・・・
更に玄関が50センチ四方くらいの鳥居から直角の位置。
これは、葬儀が終わってから撮った写真ですが、当日はこれに土砂降り・・・・・
他の葬儀社さんが断ったのもわかる。
がんばって、運ばせていただきました。
この方は、亡くなられたお父様と、息子さんと男性の二人暮らしで・・・・部屋の中が・・・・・
ご遺体は、「ベッドの上」にお寝かせさせていただきましたが、大型家具や物が多くて「棺」を置くスペースがない!
「大変申し訳ないですが、この状態でここにご導師様をお招きしての葬儀は、なかなか難しいと思われますが、斎場での葬儀はやはりだめでしょうか?お父様のご希望もかなえられましたし・・・」
と、遠慮がちに切り出してみました。入院していらしたお父様が「自宅に帰りたい~~」と切望しておられたそうです。
「斎場だと、金額が高くなるでしょう?」
あ!そのことね!
「弊社は会館使用料はいりませんよ。どうぞ安心して斎場をご利用ください。」
そしてまた、土砂降りの雨の中斎場までご遺体を搬送したのでした。
ご家族は、斎場でゆっくりと、ストレスなく葬儀を終えられ大変満足しておられました。
お父様の願いも叶い、本当によかったです。
これは仕事なので、泣き言は言えませんが、階段の搬送、雨で滑りそうな手を力振り絞って・・・・筋肉痛が(笑)
次の日はダウンでした。
(いつもですが、内容はお客様の許可をいただいて掲載しています)
合掌