代表ブログ
遺骨は誰のもの?
家族葬つばき会館長崎南斎場の代表ブログをご覧いただきありがとうございます。年末年始に亡くなられる方が多く忙しくしていたので、ブログ更新がままなりませんでした。
今日は、ぜひみなさんに知っておいてほしいことがあったので、書きます。ぜひたくさんの方にお知らせしたいです。
これは、私の斎場で実際にあった話です。仲の悪い「父と長女組」と「長男一家」で亡くなったお母さん(父の配偶者)の遺骨の取り合いになったのです。母の介護は「父と長女」がしていましたが、本当のところはよくわかりませんが遺産の配分で揉めていた「父と長女」と「長男一家」が、どちらも墓、納骨堂を準備しており「骨のひとかけらも相手に渡したくない。」のです。収骨の時間となり同じ部屋でその時を待つのも嫌な2組は、私が提案した「分骨をする。」のも許せずにかなり興奮していました。仕方ないので私は2組を2列に並ばせて、ゆっくりと収骨室に入るよう、体育の先生のように指示しました。
収骨が終わり、部屋を出るときになって事件は起こりました。
「長男一家」は若いです。行動が素早いです。杖をついた父に「位牌」を持たせ、両手をふさぎ、長女に「遺影」を持たせ両手をふさぎ、自分たちが骨壺を持って走り去り車を発進させました。「父と長女」のふたりはあぜんとするばかりでした。
実は私は、その前に「喪主」である「父」に「分骨依頼書」を書いておくように勧め印鑑、署名をしてもらっていました。骨壺も全く同じ柄の(結構高級品)を用意しており、おろおろする「父と長女」をごめんなさい、ちょっと放置して火葬場の所長に直談判しました。
「さきほどいただいた、分骨申請のとおり分骨させていただきますが、収骨は私がやりますので証人として見届けていただけませんか?」まあ、こんなことは滅多にあることではないし、残った遺骨は「灰」のようにボロボロでしたが、箒と塵取りのような器具で一生懸命拾い、同じ柄の骨壺に納め、「父と長女」に渡しました。長女は「これは偽物だ、DNA鑑定をする」と言い張りましたが、中身は正真正銘「母」の遺骨です。証人もいます。しぶしぶ帰られたのでした。
この時「民法的にどうなのか?」ということまで考えが及ばなかったのですが、今日同業(他の葬儀社)で、離婚した両親の母側についた娘が父の遺骨をどうする?って話になったのを聞いたので、この場合私ならどうするか?と考えて、予算がないご家族には「収骨放棄」という選択ができるはなしをする。決断は家族です。しかし情報に溢れた現代において「知らない」ということが一番不幸なのではないか?と思うのです。そして社会的弱者に限って、相談する相手がいなかったり、情報を得る機会や方法を知らなかったりするのです。だから選択肢のひとつとして「収骨をしない」という方法があることをお伝えするべきだと思うのでした。
しかし、これには問題があることがわかりました。
「自治体の火葬場条例によって、取り扱いが違う。」のです。
おおざっぱに分けると、関東以北は「収骨放棄はできない」それ以南は「できる地区が多い」ことがわかりました。
「遺骨は誰のものか」
民法上は、祭祀財産を継承する相続者ということになるのです。
ということは、当社で起こったあの事件は「分骨証明書」がなければ「民法に触れる」ことだったわけです。
なんとも悲しくなる事例でした。
次は「貧困ビジネスに群がる輩と社会」について生活保護受給者やお金がないから葬儀ができないと遺体を放置する現状についてとんでもない誤解したブログを読んだので、私の考えを発信したいと思います。
こんなこと書いてると、「弔い業界」から嫌われそうなんですが
「知らないことは、大変な損失」だと思うので勇気をもって発信します。
この書類は、長崎市の「収骨放棄」を選択した場合、記入していただく書類です。
https://tsubakinagasaki.com/ 家族葬つばき会館長崎南斎場の直葬に特化したHPです。