代表ブログ
こころ を かたち にする
家族葬つばき会館長崎南斎場の代表ブログをご覧いただきありがとうございます。当社は「家族葬・密葬・直葬」を大切に考えている小さな葬儀社です。
この度「無宗教葬」をされたご家族の想いがとても心に残り、ご遺族様の許可を得てブログにすることにしました。
無宗教葬という言葉を聞いて「宗教色のない葬儀」ということがピンとこない方はあまりいないのじゃないかと思いますが、実際どのように行われるのか?ご存じの方は少ない気がします。家族葬や、一般的な葬儀の場合だと特にイメージしにくいのではないかと思います。
お手伝いする私たちにとっても、「直葬」の場合は割とスムーズなのですが、家族葬でお通夜と葬儀・告別式がある場合、どのように進行していくか?はかなり重要です。ご遺族様の気持ちに沿った内容であるか?宗教者がいらないというだけで、通常行うような「焼香」はするのか?「献花」を行うのか?「音楽」を奏でるのか?要は「無宗教葬」となるとまるで「形が無くなる。全て作り上げることができる」のです。いくらご家族が納得されていても「無宗教葬」だと知らずに訪れた会葬者が、よくわからないまま「献花」ってどうすればいいの?みたいな手持無沙汰な感じになりかねない、なんとなくまとまりのない葬儀になってしまうこともよくあるのです。
武田家のご遺族が「無宗教葬」を選ばれたのには深い理由がありました。そのことは知らないままお手伝いすることになったのですが、式進行の打ち合わせから、実際の流れをたどっていく中で、お手伝いしている私の方が感銘を受けたのでした。
オリジナルの音源を作成され式中に流す。なぜこのような形になったのかの説明と選ばれた楽曲の説明。
ご自身で作成されたスライドショーを皆さんに見ていただき、献花でお通夜を進行しました。突然のご指名により、舞踊の名取でもある喪主様による舞踊も披露されました。さぞかし故人様は喜ばれたことでしょう。
こんなにすばらしい「白ばら」を準備しました。
無宗教葬を選ばれたのは、亡くなられたお母さまと喪主様、施主様の強いお気持ちからでした。
理由はお父様、亡くなられたお母さまのご主人の葬儀の際、不用意な宗教者からの言葉だったそうです。
たまたまなのか、天の采配か?当社が立て込んでおり、病院へのお迎え時間がかなり遅くなってしまい、その間にご自身で音源やスライドショーを作成されたのでした。なんとも素晴らしくて言葉がありません。
司会者をオーダーせずに私が施行、進行もいたしました。(当社では普通にこのようにしております)
通夜が終わり、喪主様に代わって施主様がご挨拶をされました。本来ならば宗教者からの法話のようなお話があります。
マイクを持つ私は、気持ちを抑えきれなくなり「僭越ではございますが、わたくしから少しお話させていただいてもよろしいでしょうか?」と続けました。
亡くなられたお母さまは「老衰」で亡くなられたこと。「老衰」は一般的なイメージとして多い気がすると思いますが、実際にはそんなに多数ではありません。素晴らしいドクターだなと動画をよく拝見している認知症専門医の長谷川嘉哉先生がおっしゃっていたのですが、「老衰の状態は理にかなっている。日本では高齢者に延命措置や胃ろうなどが当たり前になっているが、人が死に至る状況になると、だんだん口から食事ができなくなる。水分も補給しなくなる。そうすると体が麻酔をかけたような状態になっていき、やがて死を迎える時には苦痛を感じにくくできている。」簡単にいうとこんな内容なのですが詳しい方突っ込まないでください!
お顔を拝見して、本当に苦痛なく亡くなられたのではないかということ、このドクターが言っていたこと。を皆様に伝え、武田様がお母さまのご様子から、私に相談の電話をくださってからのいきさつ。それから、どんなお気持ちでお母さまの死と向き合われてきたか。「無宗教葬」ですると決めたお母さまとの約束を果たすために「かたち」をどのようにするのか?真剣に立ち向かっていかれたのだろう。と考えるとほんとうに深く感銘を覚え、思わず涙してしまいました。
さくらの花も飾られた祭壇。お花をたくさん飾り付けるために、当社に1つしかないちょっと仏教のような白木祭壇に文句も言わず快諾してくださいました。
こちらが感謝したいくらい、素晴らしい「無宗教葬」になりました。
宗教者が悪いわけでも宗教が悪いわけでもない。
葬儀は「こころをかたちにする時間」だなあ。と
改めて思いました。
明日は何の引き合わせか「花まつり」お釈迦様の誕生を祝う日です。
私は仏教徒なので、お祝いします。友達でもある僧侶がクリスマスのケーキのように「花まつりにはカレーを食べよう」という習慣を世に広めたいと活動しているので、私も明日はカレーを食べます。
皆様にとっても、すばらしい一日になりますように。
世の中が平和で穏やかな愛に包まれますように。
合掌